星空の解放日
麦星すばる
夢の話
うーん。なんだか動きづらいな・・・。
意識が少しずつはっきりしてくると、目の前には鏡がある。
鏡を見るとウェディングドレス姿になっている私がいる。
「ええええ!?どうなってるの!!」
私は思わず大声をあげてしまう。
とにかく外の状況を知りたい。
とにかく走る。
ドレスなんて着たことがないからすごく走りづらい。そ
こにはタキシード姿のなおきくんがいた。
「ほのかさん!ドレスで走ってほのかさんが怪我をしたらあなたを待っている方が心配しますよ。さあ行きましょう」
なおきくんとともに先に進んで行く。大きな扉が見える。
よく見ると…ここってもしかして…結婚式場!?
でもどうして私がこんなところに?
「じゃあ僕は会場に戻りますので!お幸せに!」
なおきくんは先に階段を下りて外に出てしまった。
お幸せに!って!?どういうこと!?私も階段を下りるとそこには優しく微笑む湊くんがいた。
やっぱりタキシード姿だけど白。なおきくんは黒だった。
「待ってたよ、稲荷さん…ううん。ほのかさん」
「み、湊くん!?ほ、ほのかって…」
「だってもう名前で呼び合う仲…じゃない?」
私は湊くんに引かれるまま歩いていく。やっぱり湊くんはカッコイイな。
そしてタキシード姿も素敵だなあ。そして扉が開くと…おめでとうと祝福の声が上がっている。
そこにはなおきくんやめりの先輩、星華先輩に月華先輩も。
色んな人がいるけどみんなドレス姿やタキシード姿だ。
「ほのかおめでとう!」
「稲荷ちゃ…ほのかちゃんおめでとう!」
私の手にはいつの間にかブーケが握られていた。
「ほのかさん、投げて!!」
湊くんの合図で投げようとした時。
「ちょっと待ったああああ!!!」
乱入する大きな声。よく見ると…大河とくるみちゃん!?
「ほのか、俺と一緒に行こう!」
「いなほちゃん、私と共に!」
「大河くん、何を言っていますの!?いなほちゃんは私と!!」
「古坂は女だろ、贅沢言わずに友情で留めろ!」
次第に大河とくるみちゃんの言い争いになってしまった。
それを見かねた湊くん。
「今のうちに行こうか」
湊くんはそっと私を噴水広場へ連れ出した。
なんだろう。
噴水。
不思議な感じがする。
水の音だけ静かに響く。
「あのさ…僕ほのかさんと一緒にいられることが夢のようだよ」
「わ、私もだよ!湊くん」
「あの時助けてもらって今の僕があるんだ。ありがとう」
「そ、そんなこ…」
どんどん視界が暗くなってくる。湊くんの声も小さくなっていく。
そして聞こえるのは目覚まし時計の音。
ああやっぱりこれは夢なんだ。
目を開けると…いつもの天井。
「うーん。やっぱり夢かあ。でもなんで大河とくるみちゃんが乱入してきたんだろう。面白かった!
でもタキシード姿の湊くんはドキドキしちゃった。湊くんの本当のお嫁さんになれる人は幸せ者だよね」
「ほのか!! 今日は瀬名くんとお勉強会でしょ、準備するのよ」
「はーい!」
私は準備を整え…また暗くなってくる。
「ほのかさーん、ほのかさーん….!!」
み、湊くん!?と思い顔を上げたら十蟹先生がいた。授業中に寝てしまったらしい。
「起こしたけどダメだったか」
大河とくるみちゃんが気の毒そうに私を見ている。
そしてクラスからは大きな笑い声が。
夢の話だったけどいつか湊くんとお勉強会できたらいいな。
お嫁さんについてはまだ分からないけど自分で答えを見つけたい。
なーんてね!